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2023.09.09

~障がい総合支援ひかりの『生活介護』への想い~

こんにちは。
障がい総合支援ひかり代表の棚橋です。

今日は障がい総合支援ひかりにとっての「生活介護」への想いと「生活介護ひかり」についてお話ししたいと思います。

想いに応えて、生活介護ひかり誕生!

生活介護ひかりは、令和2年4月から新たに始まった新事業です。
代表の棚橋が、過去にかかわってきた利用者さんの保護者様や、ひかりのにわを利用してくださっている保護者様から、「生活介護事業所を作ってほしい」の声に応え、令和2年4月に開所しました。
「長く楽しく、そしてのびのびと仕事に取り組みながらプライベートの使い方を学べる事業所」をテーマに相模原市中央区鹿沼台で生活介護ひかりは、『生活介護事業』の課題解決に取り組んでいます。

生活介護事業が抱える課題

生活介護事業では、長年大きな課題があります。それは、「通所時間の短さ」です。
【未就学のお子さんが受けるサービスの『児童発達支援』は、保育園や幼稚園と同じくらいの時間や個別で短い時間なのが一般的です】
児童発達支援を利用している方は、ほとんど保育園や幼稚園と同じくらいの時間しかサービスを利用しません。そのほかにも、個別で短い時間で療育にアプローチすることもあります。また、地域の保育園や幼稚園に通いながら週1回、週2回といった頻度で児童発達支援を利用する場合もあります。お子さんが小さいため児童発達支援の時間の長さは長すぎない方が適切であるといえるかもしれません。
【就学児が受ける『放課後等デイサービス』は、わかりやすく説明すると『障がい児向けの学童』です。時間も放課後からおおむね17時ころまで、送迎を行うのが一般的です】
学校に通い始めると、学校+放課後等デイサービスを利用して大体8時半~17時まで学校又は放課後等デイサービスで過ごすことになります。
この時間の長さは、一長一短あるのは言うまでもありません。ただ、障がいを持っているお子さんが学校で勉強を頑張って、放課後等デイサービスで遊んだり支援を受けることで、自立の足掛かりになることは間違いありません。
【卒業すると15時までしか利用できない!?】
ところが、高校を卒業して生活介護や就労継続支援B型(昔は作業所、B型作業所などと呼ばれていたようです)に進むと、大体が学校と同じくらいの時間(8時半~15時)しか利用できません。
当然、事業所側としても適切なサービス提供時間を行っていますし、法律上でも適切なサービス提供時間とされています。

早く帰ってきても・・・親も子も生活が変わってしまう

自立度の高いお子さんであれば、通所サービス終了後に自分の時間を組み立てることや、予定を入れることはできるかもしれません。
しかし、生活介護を利用するような常時支援が必要な利用者さんが15時や16時に帰宅することになると、帰宅後に見ている人が必要となってしまいます。
行政は、こうした問題に対して「複数のサービスを使いながら、利用者の自立や生活を維持する」としていますが、通所系サービスは通常1日1事業所しか使えないという問題、ヘルパーは慢性的な人手不足のためサービスを受けられないなどの問題があり、結局は家族の誰かが自宅で見たりしなければならないのが現状です。
放課後等デイサービスを利用してきたお母さんたちも、子どもが中学生くらいになると社会復帰をされる方もたくさんいます。フルタイムで働く方や、母子家庭・父子家庭などの家庭環境がある中、卒業後のこの「通所時間の問題」は卒業を控えた保護者にとっては死活問題となりかねません。
『早めにグループホームに入ったら?』
『自分で留守番できるようになっていれば?』
当然、そう考えることも多いでしょう。
しかし、よく考えてください。18歳ですぐにグループホームに入るというのは、少し酷ではないかと思います。高校卒業して、すぐに一人暮らしをしながら仕事を始める方もたくさんいると思いますが、それなりのストレスや問題も起きてしまいます。それが、常時見守りが必要な利用者さんに対して適切でしょうか。(グループホームには、世話人等います)
自分で留守番できるようになっていたとして、保護者は安心して仕事ができますか?

想像してみてください。
「20歳前後の娘や息子が、どこにも遊びに行かずに毎日16時くらいに家に帰ってきて夜まで過ごす…」これだけ聞けば、なんて健全なんでしょう!家事や家の掃除なんかをしてくれると、親としても助かりますね。
しかし、それは果たして年ごろの若者の過ごし方として本当の意味で健全なのでしょうか。
私にも高校生の娘がいます。娘は、思春期の時期を『新型コロナウイルス感染症』の影響で、「自粛」を迫られてしまった世代です。そのせいもあってか、5類移行後外出が緩和された後も、外で過ごすより家の中で過ごす方が増えてしまいました。彼女の世代も時代の被害者なのかもしれませんが、親としては外を遊び歩かれるのも困りますが、家にこもられるのもそれはそれで心配なものです。

ただ、彼女は選択的に外出しないことを選んでいるのです。

生活介護や就労継続支援B型から早く帰宅した利用者さんたちは、留守番ができるといっても積極的に何かをすることも難しいので、誰かが帰ってくるまで食べたいものを食べ、ゴロゴロし、テレビや動画を見て過ごしてしまいます。「外出したい」と思われても、一人で出かけさせるわけにはなかなかいきません。
高校を卒業すると体型が崩れるという問題もありますが、運動不足だけでなくこうした「私生活の乱れ」もあるのだと思います。

障がい総合支援ひかりが『生活介護』の『課題』に取り組む

そこで、障がい総合支援ひかりは生活介護事業の課題に取り組むためにも、『生活介護ひかり』をはじめました。

さて、「通所時間」の問題をどうするか。これは大きな問題です。
※ここからは金銭的な内容も含まれますが、より適切にこの問題の解決のために考えなければならないことですので、ご承知おき下さい。
問題① 営業時間を変えても売り上げは伸びない。
端的に言えば、6時間営業しても8時間営業しても事業所の収入は変わりません。むしろ、人件費などがその分かかるため収支的には長くやればやるほどマイナスとなってしまいます。
問題② 職員の負担が増える。
時間が長くなると、必然的に職員の負担も増えます。利用者さんが帰った後にしなければならない仕事もたくさんあるからです。

生活介護ひかりでは、『生活介護事業』の時間を8時半~15時として、一般的な生活介護事業所の時間にして始めています。そして、15時~17時を相模原市が実施している地域生活支援事業「日中短期入所」の指定を取り使えるようにしました。この結果、「生活介護」と「日中短期」の支給決定を受ける必要はありますが最長8時半~17時まで施設で過ごせるようになりました。

『長い時間利用できればいい』というわけではない。

ただ単に長く利用すればいい、というわけではなく、利用者さんたちが1日過ごすことを苦としない工夫や、ケアニーズに合わせたサービスの選択ができるような工夫がされています。
例えば、行きも帰りも送迎を利用したい場合は、「10時到着予定の迎え送迎~17時から送り送迎」が可能です。その場合は、生活介護+日中短期の利用となります。
朝はもっと早くから預けたい場合、親が送迎することで8時半から利用することもできます。簡単なことではありませんが、本人の自力通所も可能です。自力通所ができるように時間をかけて支援をしたり他サービスと連携します。
生活介護は15時までなので、日中短期入所サービスを利用しない場合は15時で終了することも可能です。
活動の中では、自社製品の製造販売から外注まで様々な内容があります。

保護者の求めるものが詰まった『生活介護ひかり』

・8時半~17時での利用が可能
・9時台と17時台の送迎
・1食300円の給食(クックチル)
・利用者さんのペースに合わせた仕事、仕事に合わせた工賃
・中央支援学校から近い(中央支援学校に通っていたリズムで通える)

ただし、その分生活介護ひかりは土日祝休みと、少し休みが多めです。大体通算すると年間120日くらいはお休みになっています。今後、新型コロナウイルス感染症も落ち着いてきたのでイベントなどを考えながら、長く愛される事業所としてやらせていただきたいと思います。

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