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2024.02.14

令和6年度報酬改正【放課後等デイサービス】について考えてみよう①

皆様、こんにちは。

2月6日付で令和6年度障害福祉報酬改定の概要が発表されました。確認していますか?
さてさて、全体的に見ていますが…

「放課後等デイサービスは比較的厳しい改定」となった印象です。もちろん、他の障害福祉サービスの中でも厳しめの改定が見られるのもあります。児童分野で言うと、児童発達支援よりも放課後等デイサービスの方が厳しい印象で、ここ何回の改定については正直振り回されている感じが否めません。
報酬の細分化は全体的に進められているのは仕方ないとしても。
今回出たのは、
①改定内容
②概要
③報酬算定構造
の3点です。ここから、いろいろな経緯を経て、3月末に正式リリースとなります。

今回の改定について、概要のため推測で話を進める部分もありますが、あくまで私個人の意見であり、皆さんには参考程度に読んでいただければ幸いです。

では、ポイントをいくつか見ていきましょう。

1,基本報酬の時間単位に合わせた細分化

まず最初にお話ししたいのは、基本報酬について。
基本報酬については、
①30分未満のサービス提供は認められなくなった(欠席時対応加算Ⅱの廃止)
②放課後の支援時間が1時間半以上か、以下かで分かれるようになった。(実質報酬減)
③学校休業日の支援時間が3時間超5時間以下の分類が増えた(実質開所時間減)
の3点です。
①については、欠席時対応加算Ⅱは前回の改定で始まったばかり。請求であげることはほとんどないですが、なくす必要もないような気はします。
②についてですが、区分1の1時間半未満は574単位となります。これまでの604単位から比べるとガクっと下がる印象です。そもそも、中学生や支援学校は、私たちの地域では16時頃に到着することが多いため、17までしか営業していない事業所さんにとっては、営業時間延長を考慮しなければならなくなりそうです。学校の下校時間も年々遅くなっているため、17時半までは最低でも営業しないと区分2にするのは難しいかもしれません。区分2を取った場合、609単位となり、今までより5単位増です。
③について、学校休業日の支援区分については、逆に3時間を超えて営業すれば666単位が取れます。今までの721単位に比べると、かなり下がってしまう印象ですが営業時間について工夫をすれば問題なさそうですね。ただ、多くの事業所さんはすぐには営業時間を短くはしないと思われます。利用される方々との信頼関係もありますので。。。

また、②③に共通して言えることですが、請求時に計算するのは一人一人の事業所にいる時間になるのか、事業所として届け出ている営業時間によるのか、最初に来た利用者さんを基準にしていいのか…という点ですね。おそらく一人一人の事業所にいる時間で計算することになるでしょう。

ところで、今回「手続き負担の軽減」をうたっていたような気がしますが・・・時間に応じて一人一人請求を作るとなると、だいぶ負担が増えるような?気がするのは私だけでしょうか。

2、加算の充実

今回、加算の種類はかなり増えた印象です。統合されていたりもしますが、過去に合った加算も全体的には単位が増えており、放課後等デイサービスの基本的な考え方に「いかに加算を取るか」ということを考えていかなければならないと言わざるを得ません。

3、やることが増える

現場目線で言うと、今回の改定は「やることがまた増えた」というのが正直なところ。「加算を取る」ということを考えるということは、その加算に応じた記録の整備が当然必須になってくるわけで、そこだけでも業務負担が増えるのは目に見えています。それ以前に、総合的支援の組み立て、それに合わせたプログラムの策定、公開…。
ある程度のひな型やそれに合わせたICTの活用がポイントになってきそうですね。いかに業務負担をICTを使って減らすか。

4、あいまいな表現が多い

すでに質問事項としていくつか送っていますが、まだ概要ということもあり明確になっていない点が多くみられます。特に「中核機能強化事業所加算」は、事業所において取れるなら取らないと厳しいものとなっています。専門職の配置も求められる(専門的支援加算算定が条件になる?)可能性が高いですが、専門職員がいれば取れるのであれば、積極的な取得を目指さないといけません。逆に、この加算が算定できれば、今までに比べて全体的な報酬増になるかと思います。

5、処遇改善加算の充実

処遇改善加算は、今回まとめられて取得しやすくなる見込みです。今回の業務負担軽減の最大のポイントになっていると思います。処遇改善加算、特定加算、ベースアップ支援加算をすべて足して段階的に組み込まれた形ですが、1つにまとまったことで今までよりはるかにわかりやすく、算定しやすくなったのではないかと思います。細かい部分については、これから詳細を待つとしても、すくなくとも処遇改善Ⅱまでは取りたいところですね。

6、終わりに

さて、現時点でざっくりとした報酬改定についてしゃべってみましたが、皆さんまずは概要を読み込み、わからないことは質問として送りましょう。
それがQAで明示されることによって、より理解が深まるようになり、法律の内容も明確になります。

また、現場の1社員に過ぎないと思っていて、法改正への興味を示していないあなた!
皆さん一人一人が法律への理解をするということは、利用者の権利を守り、サービスの質を高め、現場の負担軽減につながります。
上の人からすると、法律に詳しい従業員は扱いづらいと思われるかもしれませんが、実地指導や監査時には大活躍できるでしょう。

法律を理解するということは、障害福祉サービスでやることを理解することと同義です。私たちが展開する障害福祉サービスは、法に則り提供され、報酬が支払われる「制度ビジネス」なのです。つまり、法律の中に必要なことはすべて書かれてあります。
※自治体解釈による部分もあります。

ぜひ、興味をもって法律を学んでください。

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